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満開桜

第14章 合宿Another story 皇天馬 甘裏


他の団員が部屋に戻ったあと、部屋の鏡の前で再講習を受けることになった天馬。
「はい、天馬座る!」
天馬『俺がやるんじゃないのか?』
「天馬は意識の問題。」
天馬『意識?』
「そう。スタイリングしてるとどうしても天馬は自分の主観になってて客観的に見たときの雰囲気、バランスを忘れがち。それさえ意識出来ればすぐできるよ。仕事や舞台も前室で台本読みながらヘアメイクでしょ?その台本への意識をほんの少しだけスタイリング中にも向けられないかな?」
天馬『確かに、セット中は見たことないな。』
「今回のスタイリングがどうしてこれなのか?とかちょっとでいいの。考える時間を増やしてください!」
天馬『わかった。』
「じゃあ、早速実践!」
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「さっきより全然いいよ!可愛い!」
天馬『そ、そうか?』
天馬はめぐの髪を緩く巻いて低めのポニーテールに。サイドも編み込まれていた。
「うん!シンプルだけど編み込みがあるから地味じゃないし!じゃあ天馬も合格!」
天馬『うっしゃ!』
「じゃあ星見に行こう!」
天馬『は…?』
「え?だって連れてってくれるんでしょ?」
天馬『あ、連れてくけど、その、お前が忘れてんなら…行かなくてもいいかと…』
「天馬との約束忘れるわけないじゃん?ほら、行こうよ!」
天馬『うわ、ちょ、待てって!』
めぐに手を引かれ星の見える場所に向かった。
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「うわぁ……ホントに星ってこんなにいっぱいあるんだ…」
天馬『な?すごいだろ?』
「うん、初めてこんなに星見たよ!ありがとう、天馬!」
天馬『ま、まぁ、このくらい俺には当たり前だからな!』
「なんか、こんなに星見てると一つくらい取れそうな気になるね」
天馬『そうだな、じゃとってみるか。めぐ目瞑れ。いいって言うまで開けるなよ』
「なんかマジック?いいよ!」
目を瞑っためぐを確認すると天馬はポケットから何かを取り出した。
天馬『ほら、目開けてもいいぞ』
「ん?…これ、」
天馬『自由行動の日に買った。なんかめぐに似合う気がしたから…』
「綺麗…あ、今のこの星空と同じだね!」
天馬があげたのはイヤリングだった。今2人で見ている星空と同じ深い紺色に無数のシルバーの点描が施されたもの。
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