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満開桜

第13章 合宿Another story② 伏見臣 甘微切?夢


ピッピッピッ
「臣、何見てるの?」
臣『ん?今日自由行動の時に撮った写真だ』
「なんか意外と撮られてるな」
臣『あぁ、カメラを意識してない時の方が俺は結構好きでな。自然体というか、その人の姿が見える写真を撮りたいんだ』
「そっか、でも臣が写ってる写真あんまりないね」
臣『ん?まぁ俺が撮ってるから必然的にそうなるな』
「自分の姿も見なきゃダメだよ?なんて言ったらいいんだろ…臣は俯瞰的に物事も人のことも見れるタイプ。でもそれが裏目に出ることもあるんじゃないかなって。自分のことを気付かせないように先回りしすぎてる気がするんだよね。それはみんなにとっては良いことでも結果的に臣が犠牲になり過ぎてると思うんだ」
臣は驚いた。自分はそんなつもりはなかった。でも心のどこかでみんなに踏み込みきれない、踏み込んでほしくない部分は確かにあった。自分の中でも不確かな事をめぐは的確に表現したのだ。
「あ、ごめんね。知ったようなこと言っちゃって。」
臣『いや、めぐは本当にみんなのことをよく見てるんだな。』
「感じたことをそのまま言ってるだけだよ。左京さんにはもう少しオブラートに包めって怒られるもん」
臣『確かに左京さんなら言いそうだ。めぐもそうゆう経験があるのか?』
「なんで?」
臣『自分の体験があってそう思うこともあったのかと思ってな』
「……そうだね、でもわたしは少し違う。俯瞰的に見てるフリをしてるだけ。自分には踏み込んでほしいって思ってるのに、わたしは相手に踏み込めない。拒絶されるのが怖いから。そんなこと思ってたら相手も踏み込んでくるわけないのに…でも拒絶されたくなくて….」
臣『そうだな、難しいよな』
ポンポン
臣がめぐの頭を撫でた。慰めようとしているわけではないようだ。あえて言うならば“同意”のサイン。臣の行動の意味に気付いためぐの目から涙が零れた。
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