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満開桜

第8章 君色 月岡紬 甘裏


「やっぱり京都に来たら甘味は食べないとね♪はむ!…はぁ、めっちゃ美味しい〜!とろけるぅ〜♪」
『本当にめぐは美味しそうに食べるね。見てるだけでこっちまで嬉しくなるよ』
「もぐもぐ…紬も食べよ!はい、あーん」
『え!?お、おれはいいよ…』
「2人で食べたらもっと美味しいよ!」
『じゃあ一口だけ…ぱくっ…本当だ、抹茶の苦味がいい感じに残ってて食べやすいね』
「あ、紬。口の端にアイスついちゃった。」
『?あ、ありがとう』
「紬のが年上なのに、なんか変な感じ笑」
『ははっ、そうだね』
その後も懐石料理を食べたり、神社などを巡って一日満喫した2人は宿泊する宿に到着した。
『すみません、予約していた月岡と申します。』
『月岡さま、お待ちしておりました。では、こちらにご記入をお願いいたします。…ありがとうございます。お部屋でお過ごしになる際の浴衣をお選びいただきます。奥さまはどの種類になさいますか?』
『お、奥さま!?』
「ん〜、迷うなぁ…じゃあこれにします!」
『(めぐ全く動揺してないけど聞こえてなかったのかな…いや、この距離で聞こえないはずはないけど…)』
「紬?つむぎー?どれにするー?」
『ぁ、おれはこれで…』
「かしこまりました。では、お部屋にご案内致します。」
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「うわぁ!庭園が見える!すごーい!あ〜、畳の匂いする〜、落ち着くぅ〜」
『ははっ、気に入ってくれたならよかった』
仲居さんに部屋へ案内してもらってからはしゃぎっぱなしのめぐ。
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部屋に運ばれた料理を堪能し、2人は窓辺でライトアップされた庭園を眺めていた。
「はぁ〜、贅沢な1日だったぁ〜!紬、本当にありがとう!すっごい楽しかった!」
『めぐが喜んでくれたならよかったよ。ねぇ、めぐ。さっきの…あの、フロントでのことなんだけど…』
「フロント?…あぁ、奥さまって呼ばれたこと?」
『うん、もし気を悪くしてたら申し訳ないなと…』
「なんで?あそこで否定するのもおかしいし、今日はわたし紬と2人なんだし、そう見えてるなら嬉しいなぁと思ったんだけど。むしろ紬は嫌だった?だとしたら、ごめんね?」
『いや、違うんだ!その…むしろ、嬉しかった…というか…なんかおれだけが喜んでるのかなと思って…でもめぐがそう思ってくれてるならよかった。』
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