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満開桜

第8章 君色 月岡紬 甘裏


ホワイトデー当日
めぐと紬は京都にいた。バレンタインのお返しにと紬が京都旅行の計画を立てていたのだ。和物が大好きなめぐはすぐにこの提案に乗った。談話室でこの話を聞いた団員からブーイングが飛んだが、めぐが一喝して黙らせた。
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『めぐ、これなんか似合いそうだよ?』
「どれ?あ、可愛い!水色の中に金箔入ってるのかな?綺麗…あ!この桃色のも可愛い!」
『ふふ、やっぱりめぐも女の子だね。好きなだけ見ていいよ。今日は君のための旅行だからね。』
「うわぁ、迷う〜…ん〜…あ!これがいい!」
『どれ?この青いガラス玉のかんざし?』
「うん!」
今2人はかんざしの専門店に来ている。何かプレゼントしたいという紬にめぐはかんざしが欲しいと言ったのだ。
『他にも飾りがついたものもあるよ?』
めぐが選んだのはシルバーの柄に鮮やかな青いガラス玉だけが付いているシンプルなかんざしだった。
「これがいい!紬のイメージカラーだし、1番綺麗!」
『(こういうことをさらっと言えるんだよな、この子は)』
紬は無意識に笑みを浮かべ、めぐを見て頭を撫でた。
『そっか、じゃあこれにしようか。すみません、こちらを頂けますか?出来ればプレゼント用に包んで頂けると嬉しいです。』
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「えへへ♪紬ありがとう!かんざしずっと欲しかったんだ!」
『どういたしまして、よく似合ってるよ。』
せっかくだからとかんざしの店を出ると着物レンタルの店に行き、2人とも着付けてもらったのだ。
紬は白地に紺色の格子柄の着物に、藍色の羽織。めぐは青地に白の花が描かれている着物に白の羽織で、着付けの時に紬がくれたかんざしで髪を結ってもらっていた。
「なんか着物お揃いみたいだね♪」
『そういえばそうだね。別々で選んだのに不思議だね。』
2人で笑い合いながら自然に手を繋ぎ、次の目的地に向かって行った。
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