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満開桜

第33章 風邪っぴき 莇 甘夢


莇『ほら、口あけろ』
「む〜…あーん…」
莇にゼリーの乗ったスプーンを差し出され渋々口に入れる。
莇『(なんか餌付けしてるみてー)ん、終わったぞ』
「うぇ〜…口の中薬残ってる…」
莇『下手すぎんだろ』
「ん〜、莇〜棚の上のアメの瓶とってー」
莇『あ?これか?』
「うん、ありがとう。十座がくれたやつなんだけど、これで最後なんだ」
莇『あー、九門が騒いでたやつ、これか』
他愛無い話をしているとめぐが莇の肩にもたれて眠ってしまったようだった。
莇『眠いなら言えよな』
めぐを持ち上げベッドに寝かせる。するとめぐの目が薄く開いた。
莇『わりぃ、起こしたか。俺行くからゆっくり休めよ』
立ち上がろうとするとシャツの裾を引っ張られた。
「もうちょっとだけ一緒にいてほしいな…」
莇『…俺はいいけど、大丈夫なのか?また熱上がってたりしないよな?』
「大丈夫、でも1人やだ」
莇『わかった。一緒にいる。とりあえず食器下げてデザートもらってくっから待ってろ』
「へへ、ありがと」
ふにゃっと笑うめぐは少し回復したとは言えやはり病人。いつもより力がない。食器を臣に渡してデザートを持って部屋に戻る。
莇『ほら、持ってきたぞ』
「やった、イチゴムース♪」
ぺろっとムースを完食しためぐはベッドに入る。先程飲んだ薬が効いてきたのか眠気に勝てずに眠ってしまった。
「あざみ…」
手を繋いだまま眠るめぐが寝言で莇を呼んだ。
莇『俺のせいで風邪ひかせちまって悪い。早く元気になれよ』
ーーーーーーーー
談話室
「おはよーごじゃーまーす!」
いづみ『めぐちゃん、もう大丈夫?』
「うん!熱も下がったし元気!」
臣『おはよ、朝飯食べられそうか?』
「食べる!あ、うどん美味しかったよ!」
臣『あー、うどんは俺じゃないぞ』
めぐがお礼を言うと臣は可笑しそうに笑いながら自分ではないと言っている。頭の上にハテナを飛ばし臣の視線を辿ると真っ赤になって口元を押さえている莇がいた。めぐは莇の隣に移動する。
「あれ、莇が作ってくれたの?」
莇『わ、わりぃかよ…』
「えへへ、すっごい嬉しい!また作ってね!」
頬にキスすると莇が声にならない叫びを上げた。こんな日に限って左京はまだ起きておらず、この後来た九門が莇に八つ当たりされたそうです。

Fin
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