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満開桜

第33章 風邪っぴき 莇 甘夢


「ふぉひふぁ、ひゃひゃひーふぉ(臣は、優しいの)!」
丞『プリン食べながら喋るな、全く。』
臣『どうだ?プリン美味いか?』
丞に喋るなと言われたので首をブンブンと縦に振る。それを見た臣は優しく微笑み頭を撫でて団員達の夕食作りに戻った。丞も日課のランニングに行くと行って部屋を後にした。いちごプリンに満足しためぐはまた睡魔に襲われベッドに潜った。またしばらく寝ていたのか部屋のドアがノックされた。開けると莇がお盆を持って立っている。
莇『飯。うどんだけど、食えるか?』
「うん、食べたい!ありがとう、莇」
お盆を受け取ろうとすると莇がそのまま部屋に入ってくる。
「莇、部屋入っちゃダメって左京さんに言われてなかった?」
莇『あ?クソキンパメガネの言う事なんか知らねーよ。ほら、さっさと食わねーと伸びるぞ』
「莇が大丈夫ならいいけど、じゃ!いただきまーす!」
莇『…美味いか?』
土鍋に入ったうどんはダシの味でふわふわのとき卵が入っていた。うどんを食べながらめぐが口を開く。
「もぐもぐ…なんか臣の作るのと味が違う気がする。でもこれすごい好きな味!臣、作り方変えたのかな?」
莇が目を見開く。実は臣ではなく莇が作ったもの。本当は部屋に来ることも左京に自分から頼んだのだ。先日バルコニーで話していたから風邪をひかせてしまった。自分の責任だから看病させて欲しいと。義理と人情がモットーの銀泉会。左京も渋々許可を出した。
「ん?なんか変なこと言った?」
莇『いや、別に。美味いならいんじゃね』
「うん!このふわふわのとき卵、すっごい好きなんだぁ♪」
嬉しそうに食べるめぐを見て口元が綻ぶ。看病されることはあったがした事がなかった莇はどうしたらいいのか悩んでいたが、うどんを作りながら臣に聞いた。
臣『風邪の時って人恋しくなる時があるからな。特にめぐは寂しがりだから話し相手になるだけでも喜ぶんじゃないか?』
ーーーーーーーー
莇『(臣さん、さすがだよ。やっぱあんたすげーわ)ん、全部食ったな。じゃ、あとは薬な。いちごのゼリーと薬がこれな』
「……」
莇『寝よーとすんな』
「嫌だよぉ〜…美味しい口のまま寝たいよ〜…」
莇『ガキかよ。臣さんが薬飲めたらイチゴムース出すって言ってたぞ』
「臣め…」
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