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満開桜

第31章 護身術 莇メインと九門 甘夢


いづみ『でもめぐちゃん、ホントにすごいね!九門くんと息合わせたみたいにぴったりだよ!』
九門『そうなんすよ!』
丞『確かに身のこなしが軽いな』
シトロン『これはまさに、青のゴッキュンネ!』
千景『阿吽の呼吸のことかな?でも、役に立ったなら良かったよ』
「いつまでも助けてもらうわけにいかないもんね!」
密『ご褒美にマシュマロあげる。あーん』
「あーん…これプレミアムじゃん」
左京『今回は不問だ。だが毎回こうはいかねぇからな。わかったな』
「はーい」
莇『チッ、胸糞わりぃ…』
左京『坊!…ったく、ガキが』
莇は苛立たしげに談話室を出て行ってしまった。
ーーーーーーーー
「ここか」
莇『…んだよ。こんなとこいっと風邪ひくぞ』
「莇も同じじゃん?何、怒ってるの?」
バルコニーにいた莇。隣の椅子に座り問いかける。
莇『……』
「喧嘩のことは莇は悪くないじゃん?それに、あの時目配せしただけで分かってくれたでしょ?あれ、嬉しかった」
莇『…お前がみんなから護身術、教わってんの見てたから…』
「ほらね、莇はちゃんといつも見てくれてる」
莇『中庭でやってたら嫌でもわかんだろ…』
バツが悪そうに莇が顔を背ける。めぐは莇の前に移動して屈む。
「ありがとう、莇。あの時、莇がわたしを信じてくれたから何事も無く3人で帰ってこれた。だから自分のせいとか巻き込んだとか言わないで?」
めぐが莇を抱きしめる。いつもなら結婚してから何だと抵抗する莇だが今回は言いたかった事を言い当てられ混乱しているようだ。
「人を信じるってさ、心が強い人だけが出来る事なんだよね。このカンパニーのみんなはそれが出来る人なんだよね。尊敬してるんだ。勿論、信頼とか絆があることは前提なんだけどね。でも最後は本人の心次第だからさ。だから莇も強いよ。」
胸につかえていたモヤモヤがスッとなくなっていくのを感じる。自分の欲しかった言葉をもらえた気がした。莇は自然とめぐを抱き締めていた。いつもなら絶対に出来ない。でも今はなぜか抱き締めないといけない気持ちにさせられる。自分の背中を摩るめぐの手が心地良い。どのくらいそうしていたのか、めぐがクシャミをした。
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