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満開桜

第25章 We need you 全員 甘切夢


翌朝
全員寝静まっている朝日も昇っていない時間。キャリーケースに大きめのリュックを背負って静かに部屋を出る。シューズボックスから靴を出して履く。玄関に手をかけた瞬間後ろから声がする。
左京『こんなことだろうと思った』
いづみ『めぐちゃん』
「左京さん、いづみちゃん…」
すると他の団員もぞろぞろと部屋から出てきたのだ。
「みんな、どうしたの?あ、もしかして見送ってくれるの?あはは、ヤダなぁ。泣いちゃうじゃん!」
咲也『めぐちゃん』
天馬『めぐ』
万里『めぐ』
紬『めぐ』
「そんな風に、みんなで呼ばないでよ…出て行くって決めたのに、もうブレてきちゃったじゃんか…」
すると誰かに手を握られた。三角だった。
三角『めぐ、おはよう〜』
「三角…」
密『今日はどこで昼寝する?』
「密…」
シトロン『シトルンの新ネタできたから、見てほしいネ!』
綴『いや、できてないから』
誉『今日は私の新作の詩集の発売日だからね。あとで買いに行くよ』
「何で…」
幸『次々公演の衣装、デザイン決まらないからさ。コミュ力高男とパソコンで作ってね』
一成『パソコンでデザインならこの、カズナリミヨシにお任せ☆微妙な色加減はめぐがいないとわかんないからね☆』
莇『今日、新作のメイクパレットが届く。同じような色ばっかだから俺だけじゃわかんねぇ。めぐにも確認してもらいてぇ。』
「いつものこと、言うの…」
いづみ『めぐちゃん、私達とゆっくり治していこう。もし、もしも治らなくても。めぐちゃんの居場所はここだよ。みんながいるこのMANKAIカンパニーだよ。』
「でも何の役にも立たないよ…衣装もスタイリングも出来ない子はここにいる資格は、」
左京『ここにいるために必要な資格は1つ。このカンパニーを心から愛していること。これが絶対条件だ。』
「いづみちゃん、左京さん…」
左京『清白。もう一度聞く。お前はこの条件を満たしていないのか?』
「…今の条件は、ここにいる誰よりも満たしている自信があります!」
そう答えためぐの瞳に迷いはなかった。
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