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満開桜

第20章 自分の身は自分で 全員 甘夢


バシャ
「!?…ゲホッ…あんた誰…」
頭から水をかけられ、意識を取り戻しためぐ。目の前の2人の男に問いかけた。
男A『お前は知らなくていいんだよ。』
男B『お前、MANKAIカンパニーの奴だろ?確かスタイリストだったよな』
「だから何…あんたに関係ないでしょ」
男A『MANKAIカンパニーが目障りなんだよ。あんなオンボロだったくせに、最近じゃ人気が出てきやがって』
男B『あいつら何なんだよ』
「何だ、ただのやっかみか。小物が。」
男A『あぁ!?今何つった!?』
「ミジンコより小さい小物のクソムシって言ったの!」
男A『テメェ、女のくせに生意気なんだよ!』
バチンッ
男がめぐの頬を殴った。
「…ペッ…うわ、殴られると口の中ってホントに切れるんだ」
男B『いつまでも調子こいてんなよ?おらっ!』
もう1人の男がめぐの脇腹を蹴り、よろけためぐは後ろにあった廃材に突っ込んだ。
ガシャガシャ、カランカラン
「ゲホッ…はぁ、はぁ、…痛ったぁ…」
男A『殴られても蹴られても泣かねぇとか、何なんだよこの女』
「こんなことで泣いてたらMANKAIカンパニーでやってけないっつーの!!」
男A『グハァ!』
めぐが一瞬の隙をついて男の股間を蹴り上げる。思ったよりヒットしたようで男はその場で悶えている。すぐに立ち上がり走り出す。
男B『待て、こら!』
もう1人の男も一瞬呆気にとられていたが、めぐが逃げ出したのを見て追いかける。
外に出たと思った瞬間、足がもつれて転んでしまった。
男B『はぁ、はぁ、手間かけさせやがって…』
転んだ体勢のまま振り向くと男が跨ってきて、手にはナイフを持っている。
男B『お前らがいなければ俺たちの劇団はやっていけたんだ!なのにお前らが客をとったから劇団は潰れたんだ!』
「だったら何!?劇団が潰れたのはわたしたちのせいじゃない!あんた達の実力不足でしょ!?」
男は言葉を飲んだが、手に持っていたナイフをめぐの顔に当てる。ナイフの冷たい感触が頬に当たる。ピリッと痛みが走った。男がナイフを引いたのだ。ナイフの冷たい感触のあとに温かいものが流れる感触がする。
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