第1章 夜這い
鬼龍編
仕事が終わって、真夜中に家に帰ると玄関に自分のより大きな靴が置かれていた。どうやら紅郎くんが帰って来たらしい。ここしばらく帰ってきているのはわかってるもののお互い会うことがないままの生活だった。
「ただいま…?」
リビングの明かりはついているけど、紅郎くんはいなかった。荷物を置いて寝室を覗いてみると敷いてある布団の上で胡坐をかいて座ったまま寝ていた。
「紅郎くん、寝るなら寝転ぼうよ?」
そう言ったものの体格差があって私が紅郎くんを寝転がせるのは無理な話で、起こそうとしてもなかなか起きないのも経験上わかっているので仕方がないからこのままにしておくことにした。
リビングに戻るとテーブルの上にラップがかけられたおにぎりがのったお皿があった。紅郎くんが作ってくれたものだろう。
「ごちそうさまでした」
おにぎりを美味しくいただいて、食器を片付けてからお風呂に行く支度をしようと寝巻を用意するときにふと随分前に菜子ちゃんと莉央ちゃんと色違いで買ったベビードールの入った袋が目に入って、それも一緒に手に取った。
「……」
また紅郎くんを見ると、魔が差した。寝巻を一旦置いて、紅郎くんに近づいたけど起きる気配はなかった。気配に一番敏感なのに気づかないのはお家だから気を緩めてくれることに嬉しくなるべきか、それとも気づいて起きてもらえないことに寂しくなるべきか…
「ごめんね?」
寝てる紅郎くんに謝って、胡坐の上に跨って抱き着いた。しばらくぬくもりはたしかにあるのに実物に会えなかったものだから紅郎くん不足で仕方がなかった。やっぱり本物に勝るものはない。
「……?」
なにか下に当たってる。下を見たらズボンの上からわかるくらいに紅郎君のおちんちんがたっていた。こんなになってるってことは抜いてない?
でも、こう言っちゃあれだけど芸能界で働いてるなら最悪私以外とやってる可能性は否定できない。時間のタイミングが合わないのは仕方がない、本当は他の人となんてしてほしくない、でもそれで体調が悪くなるのも嫌。
「ちょっと待っててね」
紅郎くんの膝から降りてズボンからおちんちんを出してあげるとそれを優しくするように触った。触るとびくっと反応したのがわかる。撫でるように触っていった。
「気持ちいいかな? 我慢しないでいいからね?」