第11章 珪線石の足音
まさかの質問に、目を見開いて長い前髪を耳にかけさせる。
『あっ』
「……似合うと思うぞ?むしろそうしてろ、せっかく美人なんだから」
『い、いや、目気持ち悪「綺麗だよ」……ほんとうに??』
「今まで俺だけいっぱい見れる特権だと思ってたけど、常々見せてても美人なのにとも思ってたんだ」
でもこんな色だし……こんなの見せて歩いてたら中也さんももっと危なくなるかもしれないし。
続ける言葉に平気だよ、と返して撫でると、もう一度こちらを見つめて、歳相応の顔になる。
『じゃあ、あの……か、可愛くしてほしい』
「サロン予約する?ご希望は?」
『分からなくて』
「……今までどうしてたんだ?」
『適当に毛先だけ切ってた』
「紅葉の姐さんの行きつけにしようか、せっかくなんだからもっと可愛くしてもらおうなあ♪」
『私も普通の子みたいにしていいのかな』
もう十分俺にとっては普通の子なんだけどな。
「好きにすりゃいいんだよ、どの道俺は好きになっちまうから」
『前髪切ったら中也さんの顔もっとちゃんと見えるようになるかな』
「おまえほんといい子ちゃんすぎな???」
見たかったんだ、ずっと。
ほんと俺のことしか考えてないし前髪切りたい理由もそれかよ。
『もっと見てもいい……?』
「どうぞ?」
顔を近づけるともじもじし始めて、なんとなくだが何を言いたいのか想像がついてしまって、頬に触れる。
『ま、まって、恥ずかしいから』
「綺麗だよ、こっち向け」
『……やじゃ、ない?』
「おう」
『あの、あの、そんなに見られたらはずかしい』
「だーめ」
おそるおそる目を閉じたリアに口付けを落とす。
まるで初めてされると言わんばかりの緊張度合いに寧ろ興奮させられるのだが、本当に初な反応をする。
軽く吸ってみただけで俺の服にしがみついて、一々びくびく反応して可愛らしい。
頭に手を添えて撫でながら続行し、適度に息を吸わせ、唇を舐めるとびくりと膝を立てた。
それから少し胸を押して抵抗されるのが可愛くて、つい指を絡めて手を繋ぎ、びっくりしている隙に舌をねじ込んで中でキスさせる。
『ん、ッンン……!♡』
軽く絶頂したのを確認して舌を離し、お互いのそれが混ざったものを飲ませるように塞いでいれば、喉を鳴らしてコク、コク、と飲みながら震えていた。
『……へんたぃ』