第4章 体育祭
「せっかく作ってくれたんだから、文句言わずに食べないとダメだよ?」
「…ほ~う?じゃあお前、たとえ弁当の中が菓子パンであろうがにんじんが入っていようが、沢庵が入っていようが、文句言わずに食えるんだなぁ?あ?」
「っ…そ、それは…。」
「…はぁ…食べるけどな。せっかく作ってくれたんだし。」
「偉い…。」
「当たり前だろ。」
久しぶりに春樹の身支度の様子を見た気がする。いつもは起こしてもらうし、見れない。
「…何?」
「…ピアス…校則違反だよ。」
「うるせぇ。ほら、行くぞ。」
「うん。」
時間というのはあっという間に過ぎていくもので…あんなに早く起きたのに、もう学校へ登校する時間になってしまった。
「…冬休みってまだ?」
「全然まだ先。」
「…ふーん。」
「おはよう、菜月。」
「あ、麻里。おはよ。」
「はよ。」
いつもどおり、3人で登校した。
「…てか、学校来て体操服に着替えるんなら、もともと体操服で登校すればいいのにな~。」
「…」
「…聞いてる?春樹。」
「うるせぇ。」
「え、なんで?」
翔真と春樹の会話は聞いていて面白い。話をなげかけても、春樹は嫌な顔せず返してくれるし、それが嬉しかったのか、翔真ももっと話しかけるようになった。
「あっ、そうだ。麻里、連絡先、聞いてもいい?」
「あ、うん。私も言おうと思ってた。」
「…ついでにみんなのも交換しといた方がいいよね。」
「!…お、おう!確かにそうだな!」
翔真がノリ気だった。麻里と連絡先を交換できるのが嬉しいらしい。
「…フッ…。」
「お前キモい。」
「え、ちょっと春樹…。」
「じゃあ行こっか、麻里。」
「うん、そうだね。」
麻里も翔真の連絡先が知れて嬉しかったのか、さっきからずっとニコニコしている。早くこの2人、付き合わないかな~。と思う。