第11章 死者の夢
「ちょっと待って披露宴これから!!」
「好きに飲み食いしてろ。一時間くらい外す。お色直しだ」
「ただ脱がせるだけでしょそれ!!」
腰が抜けてしまったを抱き上げてローは今日一番の重大事項だと力説した。
「の独り占め禁止!」
「バカ言え。結婚したんだからもう俺のだ。見るな。減る」
「へ、減らないもん私」
「俺の視線の割合が減るだろ」
だから補充とばかりにキスすると、はさらに赤くなった。可愛さがとどまるところを知らない。そのうち妖精の羽根が生えて飛んでいきそうだった。だから早く脱がせてもう帰れないようにしたい。
「んん……っ」
濃密なキスを繰り返すローに、クルーたちは赤くなったり視線をそらしたり、反応は様々だった。
「人が見てるとこでキスするのはダメ……!」
真っ赤になっては主張した。
「誓いのキスだろ」
「さっき終わったよね!?」
「が信じるまで何回でもやる」
赤くなった可愛い鼻に軽く噛み付くと、「パーティしたい!」と懇願された。
仕方なくローはを下ろした。
「夜は付き合ってくれるよな」
「う、うん」
「一ヶ月連続で。そういう約束だったよな」
「わ、私の好きなこと優先する約束だよね!?」
不安がるに、ローはもちろん、と笑って頷いた。
107.白昼夢*
朝起きて、が隣にいると、それだけで幸福な気分になる。
「にゃー……」
(猫になる夢でも見てんのかな……)
丸くなって体をすり寄せてくるにキスしたり髪を撫でたりしていると、あっという間に時間が経っている。
目覚ましが鳴る前に止めて、ローは「おはよう、」と隣で眠る彼女を起こした。
「おはよう……」
猫みたいに目をこすって、はローにぎゅうっと抱きついた。
(ダメだ。可愛い……)
毎朝のことなのに我慢できなくて、ローはを押し倒した。
「キャプテンお仕事は?」
「今日は休みだろ」
「そうだっけ?」
本当は診察日なのだが、午後からにしよう、と勝手にローは計画を立てた。