第11章 死者の夢
セイロウ島でが背中に彫ったタトゥーのことだ。死んでしまった友達のことを忘れたくないと、針を怖がっていたのに、は何日も痛みに耐えて友人を象徴する4つのタトゥーを彫り込んだ。
「あの時から、みんな一緒に居てくれたんだって。ずっと背中を守っててくれたって。神託を5人で分け合いっこしたの。予言が必要なときは、背中でみんなが教えてくれる。だから私は目を覚まして、いっぱい予言を伝えて、そしたらマリオンが『もう仕事はいいからキャプテンたちに会いに行こう』って。マルガリータに見つからないよう国を出るところでハンゾーも気づいて着いてきて、ここまで来たんだよ」
「あいつまた密出国したのか」
呆れて言うローには笑った。
「マリオンね、すごかったんだよ。あんなに警備厳重だったのに、こっそり逃げ出す天才だったの」
容易に想像がついた。あれだけ逃亡生活続けていたら、たしかに特技のひとつやふたつになるだろう。
「ハンゾーは初めて会ったけど、国中一緒に走り回ったのが本当に楽しかったから、また会いたいって。ハートの海賊団に入りたそうだった」
「そうか」
航海を終わらせる前に会えてよかったとローも思う。結局彼には、ヘイアン国で世話になりっぱなしだったのだ。
「なんでここがわかったんだ?」
ようやくお茶を渡され、すっかり冷えているのにコラソンは教えられた通り、フーフーしながら飲んでいる。
「ケトスの予言だよ。ヘイアン国の王様は何でもお見通しなの」
えへんとは胸を張った。
「キャプテンが浮気してもすぐわかるもん」
イスが足りないので横で立って話を聞いていたローは飲みかけの茶にむせた。この流れでそうくるのか。
「、その件はあとでちゃんと話そう……」
「……別に怒ってないもん」
ぷいっと顔をそむけられてしまった。どうやって許しを請うか、2億の海賊を倒すより困難に思えた。
「、コラさん、バーベキューの用意できたよ! 一緒に食べよう~」
ベポが呼びに来て、は歓声を上げた。
「バーベキュー大好き!」
障害物も考えずに走り出し、案の定つまずいて転びそうになったをベポが抱きとめる。