第11章 死者の夢
「はどうする? 冒険したいか?」
決められないのか、は動揺した。すぐに決めなくていい、とローは彼女を落ち着かせた。
「ゆっくり考えればいいさ。幸いこの島は平和だ。出港を急ぐ必要もない」
それはだけでなく、全員に向けた言葉だった。
「迷ってるなら一緒に来てくれ。をコラさんに紹介したい」
俺も、と反射的にペンギンが声を上げた。
「俺も会わせてください」
俺も、僕もと手が上がり、全員がコラソンに会いたがった。
「大所帯だな。……まあいい、うちのクルーの総勢をコラさんに紹介しに行くか」
最初で最後の機会になるから。確かにそれがいい気がした。
◇◆◇
「たくさん連れてきたなロー! こんなあばら家じゃ入りきらない」
こんなに友達連れてくるとはと言わんばかりに、コラソンはローの仲間を見て破顔した。
「うちのクルーと、微妙なのも合わせて、総勢17人だ」
「微妙なのって私ですか!? ヘイアン国で一緒に戦った仲じゃないですか!」
ハンゾーの抗議の声を受けて、ローは「うちのクルー総勢17人だ」と訂正した。
「お見知りおきを、コラさん!!」
練習でもしてたのか、クルーたちは一糸乱れず隊列を組んで決めポーズをした。までピシっと両手を上げている。そこだけ可愛さが別格だった。
「紹介するよ。だ」
「こんにちは!」
別れたと相談したのがつい昨日のことだ。目を丸くして問うように見てくるコラソンに、ローは「いろいろあったんだ。たぶん」と自分でもよくわかってないので適当に言った。
「そういえば、どうしてここに来たんだ?」
「ええとね、話すと長いの」
「じゃあ中で話そうか」
コラソンに招かれ、ローはを連れて中に入り、バタンと扉を閉めた。「俺らは!?」と紹介を待っていたクルーたちが愕然とする。
「ダメだ。キャプテン、しか目に入ってない」
「俺もいるのに」
「私も……」
同じく久しぶりの再会なのに格差を目の当たりにしたマリオンとハンゾーを、他のクルーがなぐさめた。