第10章 お別れ
寝過ぎでぼんやりする頭でジルに引っ張り込まれたのは覚えているが、気づいたら裸のジルとカナリアがベッドでまとわりついていた。
昨日はジルとロリキートだったし、最近こんなのばかりだ。バカバカしいと思いつつ、体は止まらない。
(寝たい……)
夢でに会いたい。この島に流れ着いてからもう2週間になる。毎日夢に出てきたが、この三日間、顔も見せてくれない。
会いに来てくれなくなる前に、『キャプテンしっかりして。ちゃんと起きて生活しなきゃダメだよ』と泣かれたから、多分そのせいだと思う。
何度か怒らせて会いに来てくれなくなって、でもそのたびローが無茶すれば『もうやめて』って泣きながら止めに来てくれるから、繰り返してしまう。
(会いたい……)
泣かせたくないけど、会えるなら何度でもする。こんな最低な真似だって何とも思わなかった。
の夢を見たくて、起きてる間はずっと眠りを求める。寝すぎて叶わなくなれば、もう一度寝るために体力を使うことをするだけ。その繰り返し。
ボロボロに疲れれば眠れるから、その理由は何でも良かった。筋トレや能力の酷使、果ては殺し合い。出来ることは何でもやった。セックスだって好都合だった。
(会いたい……)
姿も見せてくれない彼女に愛されるより、罵られてもいいから顔が見たかった。抱きしめて安心したい。いくらでも謝るから。
二人を相手に体力を使い果たして、待ち望んだ眠りを得る。けれどもは、会いに来てくれなかった。
確かに近くで泣いている気配がするのに――。