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白夜に飛ぶ鳥【ONE PIECE】

第7章 吸血ネズミ


 楽しそうな気配にはベポをクッションにしながら起き出した。

「いい匂い。みんなどうしたの?」
「キャプテンの快気祝いと、U-2……じゃなくて、ウニの歓迎だよ」

 ほらも飲んで飲んで、とシャチは彼女のジョッキに酒を注いだ。

「キャプテン死ななくてよかったね! ウニ、ハートの海賊団にようこそ!」
「ああ」
「ありがとう」

 横からベポが「乾杯!」とのジョッキに自分のグラスをぶつけ、ハートの海賊団のクルーたちは杯を掲げた。

「乾杯!!」





 ベポの腕に抱きつきながら酒を飲むは上機嫌だった。頬がピンク色になって、ずっとニコニコしている。

「なに食べる? 魚のチップスと、怪獣肉のビーフジャーキーもあるよ」
「ビーフジャーキー」

 保存用に紙袋に入っていたツマミをペンギンが袋ごと渡そうとして、中身が底に開いた穴からこぼれ落ちた。

「あれ、破けてたかな」
「ペンギン、それネズミにやられたんじゃないか?」

 シャチの指摘に「げ」と声を上げて、酔っぱらい直前のペンギンは穴を確かめる。確かにそれは何か生き物に食い破られたような状態だった。

「マジかよ気をつけてたのに……前の島で乗せちまったかな」
「あの噴火だったからなー。ネズミも逃げ出すよ」

 一番に逃げ出して誰より早く船に乗ったマリオンが笑った。

「どうした、ウニ」

 浮かない顔をする島の出身者に、船長が水を向けた。

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