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私に教えて!

第3章 1-5


入学式も終わり、

今はクラスで自己紹介タイム

あ行から進めて50音順で



「内田光です。
 中学は東野中で、部活はテニス部でした。よろしくお願いします」

内田くんの自己紹介が終わると

少しだけ女子の声がうるさくなった


所謂彼は"イケメン"って奴なんだろう

見た目は爽やか

身長は高め

痩せ型


ああいう人がモテるのか

でもあの仮面のような笑顔


「いけ好かない」




私が彼、

内田くんを観察している間にも自己紹介は続き

今はちょうどみのりちゃんの番

「えっと、野坂みのりです!
 中学校は東野中学校で部活は美術部でした!高校生では、何か新しいことを始めたいなぁって思ってます!」

今度は男子が少しうるさくなる

男子はみのりちゃんみたいな子が良いのか



そして、私の番

「花宮栞です。
 中学は中尾中学校で、入りたい部活はまだ決まってません」


噛むこともなかったし、

笑顔もしっかり出せた

悪い印象は与えていない、はず




あっと言う間に自己紹介タイムも終わり、

みのりちゃんと連絡先を交換した



駅までみのりちゃんと行こうかと思い

帰る支度を終え前を向くと、

みのりちゃんは居なかった


正確には男子の所にいた



あの男子は、

「確か、内田、くん?」


彼に私に向けた笑顔とは違う笑顔を向け、

楽しそうに喋っている


もしかしたら恋人同士、なのかもしれない


それなら私が誘うとおじゃま虫になりかねないので

1人で帰ろうと思いリュックを背負う


「みのりちゃん、またね」

「あ、うん。また明日」

内田くんと目があったから軽く会釈してその場を離れる




下駄箱に着くと見慣れた姿

そっか、1人で帰らなくても彼が居た


「裕、帰ろ」

靴を履き替え

ブレザーの裾をつかみそっと引く

裕はちらっと私を見ると

歩き出した

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