第3章 1-5
私のクラスは1-5
席は窓から3列の1番後ろ
可もなく、不可もなく
私はこの高校生活をどう過ごしていくのだろうか
そっと、ため息が落ちる
「えっと、花宮、さん?」
明るい、優しげな声が私の鼓膜を揺らす
ぱっと見上げると私の席の前には1人の女の子
「こんにちは、花宮さん。
私は、野坂みのり。よろしくね」
すっと差し出された手
そして私も手を差し出す
「こんにちは、花宮栞です。
野坂さん、これからよろしくお願いします」
ぎゅっと手を握る
野坂さんは声だけでなく見た目も可愛らしい
それに私に声をかけてくれた
優しい人だ
「ふふっ、そんなに堅い言葉じゃなくて良い よ。栞って呼んで良い?みのりのことはみのりとかで」
この学校での初めてのお友だち
親しみを込めて、
「みのりちゃん」
「ん?」
「よろしくね」
みのりちゃんは柔らかく微笑んでくれた
「みのりこそ!よろしく、栞」
心があったかい
恋ではないけれど、ふわふわする
みのりちゃんのお陰で少し、
人の気持ちが分かったような気がする
自然に笑顔が溢れる
嬉しいってこういうこと?