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坂田家の日常。

第2章 旅行篇。




事の発端は銀時が発した一言だった。

「なぁ、此れ商店街のくじ引きで当てたんだけど行かねぇか?」
と、夕飯を食べながら銀時が差し出してきたのは「2泊3日でいく温泉旅行の旅!」と書かれた用紙だった。
「いいけどよ…何時行くんだ?」
と十四郎が言うと、銀時はスケジュール長を片手に覗き込み、
「今週の土曜から月曜にかけて。祝日だろ?」
といった。確かに其の三日間は部活も仕事も無いため全員いける。
「んじゃ、決まり。」
そういって話を銀時が終わらせようとすると、神威と総悟が
「ちょっと待って。」
と引き止める。銀時がなんだよ、と箸を置くと神威が
「其れって何処の旅館?」
と訊いてきた。
「商店街のくじ引きなんてタカが知れてまさぁ。其の旅館、どれぐらいのもんなんですかぃ?」
と総悟がにやり、と笑いながら言った。雪乃は、少し気になってきたのか、銀時に
「其れ、なんていう名前?」
と訊ねた。すると、銀時は
「えーと…月夜館、だってよ。」
と旅館の名前を読み上げた。十四郎は携帯を片手に名前を調べる。其の周りに全員が集まる。
検索結果を見て全員が驚愕した。
「…幽霊の出る、旅館って出てるんだけど。」
と、雪乃が言うと
「「え、マジで…?」」
と引き攣った笑みを浮かべながら十四郎と銀時が言った。
「…当てちまったもんはしょうがねぇ。まず、行ってからだろ。」
と晋助はいい、雪乃を此方へと抱き寄せつつ
「大丈夫だ、幽霊なんてものに御前はわたさねぇから。」
といった。
「あ、抜け駆けずるいよ、晋兄!」
と晋助は神威に言われて手を離す。
「兎にも角にも、行くっきゃねぇだろな。」
全員が決意したように頷く。

そして、3日後坂田家一行は旅館へと出発したのであった。
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