第1章 日常篇。
⑥ (買い物へ行く主人公と銀時。+兄弟達)
午後5:30-
珍しく部活が早く終わった雪乃は、家へと帰宅していた。
「ただいまー。」
と、中へ入ると銀時がレシピ本を片手に
「おう、お帰り。」
とこちらを振り向いた。
「今日の夜ご飯、何?」
と雪乃が聞くと、銀時はハンバーグ、と答えた。
この付近に住んでいる人たちに聞いたとしても、焦げた何か…もといダークマターを練成するお妙や、食べることしか興味ない神楽しか居ない。
すると、銀時はレシピ本から一度目を話し、思い出したように
「買い物、行かなきゃなぁ…」
と、ポツリと呟いた。
「銀時兄さん、後は何買うの?」
「あー、後はトマトの水煮缶と胡椒。」
雪乃は、手に付け合せに使うサラダの材料を持って銀時の方へ、ぱたぱたと走ってきた。
そして、コーナーを移動して缶詰と調味料を買い、レジへと行く。
すると、銀時がとんでもない発言をした。
「俺達って、端から見たら新婚さんみたいかもな。」
「は!?何言って…!!」
吃驚して思わず突っ込みを雪乃入れた。
だが、同時に今日の昼間に万斎が言った
「この中で付き合うとしたら、誰が言いでござるか?」
という質問を思い出してしまい、顔が熱くなるのを感じた。
「ん?どうした、雪乃、顔真っ赤だぞ?」
と銀時が頬を指でつつく。
雪乃は、我に帰ったのか
「な、なんでもないっ!!」
と相手から少し離れた。
「なっに爆弾発言してんだよ銀時のヤロー…」
「晋助兄、ちょっと落ち着きなヨ。」
「そうでさぁ。そんな事だから何時までたってもエロリスト呼ばわり…」
「其れ今関係有ったか!?」
自販機の陰から学生三人はこの様子を見ていた。悔しそうにする晋助と其れを宥める神威。其れを無駄にするように煽る総悟が居た。
不意に後ろから
「オイ?御前ら何やってんだ?」
と十四郎が話しかけた。
そして、3人の視線の先を見て真っ先に、
「…よし、状況は分かった。殺していいか?」
と真っ黒な笑みで言ったのであった。
「…うわ、怖ぇー」
「鬼も裸足で逃げ出すよネ、さすが鬼の副社長。」
「…こりゃぁドSも鬼畜も真っ青でさァ。」
と、三人は呟き、銀時のその後の末路を想像した。
-まぁ、結局高校時代喧嘩の強さで、「白夜叉」と呼ばれ、恐れられた銀時にはかなわなかったのだが。