第2章 旅行篇。
⑥。
「ヅラかよ赤い着物の女って。」
「ヅラじゃない、ヅラ子だ。」
「変わりねーよ。」
十四郎と総悟が桂を踏みつける。そして銀時が
「雪乃のストーカーも許せないが、何で月詠まで襲う必要があった。」
と怒鳴りつける。だが、桂は
「…は?誰だ其れは。」
ときょとんとした顔で首を傾げた。十四郎は
「女襲っておいて、何言ってんだ。この変態。」
と桂を見下ろす。桂は、本当に知らないのか首を傾げた侭だった。
「本当に知らないみたいだけど…。」
と雪乃が言うと、桂はこくこく、と首を縦に動かす。
銀時は溜息を吐き
「まぁ、今回は雪乃に免じて許すが…」
と、言った。
すると晋助が
「じゃぁ、月詠を襲ったのは誰なんだよ。」
と、言った。
全員悩む。
すると銀時と十四郎が学生ズの後ろを見て、
「おい…後ろ…っぎゃぁあああっ」
と叫び、脱兎の如く逃げ出してしまった。
「…なんでぃ、行き成り。」
「なんか居るんじゃない?」
「んなわけあるか。だったら全員で振り返ってみるか。」
晋助、総悟、神威が少し怪訝そうに話し合う。
「じゃぁ、向くよ…せーの。」
雪乃の合図とともに後ろを向くと、其処には赤い着物の女がいた。
「うわぁあぁあぁ!!出たぁあっ!!」
「え…っちょ、待って!」
と雪乃を置いて3人は逃げ出す。
雪乃は後ろに居る女を見、兄弟のパニック振りに呆れたのか冷静に
「…どうしたんですか?」
と女に話しかける。すると話が通じるのか
「あの…すみません。私、蚊みたいな天人なんです。実は上司との間に子供が出来て…。この子達を育てるために血が必要だったのよ。」
と経緯を話してくれた。雪乃は、頷いた後月詠に謝って置くように女に話し、その場を後にした。