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Dearest【降谷零夢】

第7章 思わぬ再会と脅迫状


先ほどまでの柔らかな雰囲気は無く、その場はピリピリしている。

「愛、良いよ。」
『……兄さん。』
「さて、この脅迫状だけど……何で分家が持ってるんだい?」
「それは……」
「本家に届いていたであろうコレを勝手に持ち出すのはどういう了見だ。事と次第によっては俺も容赦はしない。」

低い声を出して分家である夏紀と真理子に問いただす幸紀。
小五郎達が固唾を呑んで見守る中、安室が口を挟んだ。

「落ち着いてください。夏紀さんと真理子さんでよろしかったですか?」
「え?はい……」
「たった1枚のコレで毛利先生にご依頼したわけではありませんよね?」
「っ!」
「他にも来ていたから、ですよね?」

2人を見る安室の目は鋭く睨んでいる様に思えた。
真理子は息を吐いて、残りの脅迫状をその場に出した。

「その後に来たやつです。」
「拝見しても?」
「どうぞ。見たところで解決出来るとは思えませんがね。」

ー指輪を渡さないのなら葉月家の秘密をバラす。
ー化け物を殺すか、秘密をバラされるか選べ。

「ん?最後の脅迫状に書いてある化け物とは何の事ですかな?」
「……それは……」

小五郎の問いに口ごもる真理子の目は愛を見ていたのを安室とコナンは見逃さなかった。
まるで異端を見る感じに安室は苛立ちを覚える。

「(彼女をそんな目で見るな。)」
「……この葉月家の汚点とも言える存在ですわ。」
「真理子さん!それは言い過ぎだ!」
「汚点?では、化け物と言われたそれが秘密という事になるんですな?」
「……毛利先生、申し訳ありませんが化け物という言葉を取り消して頂けませんか?」

普段は小五郎に対して温厚な安室が、冷たく言い放つ。
その姿にコナンも驚愕してしまった。

「……安室は誰を示すのか知ってんのか?」
「……知ってるからこそ、その言葉に苛立ちを隠せないでいます。」
「そうか……悪かったな。」

そう言って小五郎は安室の肩を叩く。
やはり小五郎は元刑事だったからか良い勘を持ち合わせている。
安室が感情を表に出した事でコナンと小五郎は誰か解ったのだ。
重たい空気の中、安室とコナンが何かに気付いた。

「(これは……!)」
「危ない!!」

コナンが発した言葉と同時に安室は愛を抱え倒れ込む。
愛がいた場所には矢が刺さっていた。
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