• テキストサイズ

Dearest【降谷零夢】

第3章 近づく距離


『……!!?』
「ふはっ……さっきより真っ赤。」
『な、な、何して……!』
「言っただろ?愛が好きって。」
『あれ……人としてじゃないの?!』
「人としてもだけど、女の子として好きだよ。」

煙をあげるんじゃないかって言うくらい赤くなる。
抵抗しないの(出来ない)を良いことにもう1回目元へ口を寄せたり、頬にキスしてみたりする。

『あわわ…………』
「家具買いに行ったあの日、初めて笑った顔見て好きになったんだ。」
『…零はいつかいなくなるのに……』
「そう、だから本当は言うつもりなんてなかった。でもな?一緒にいればいるほど気持ちは収まらないし、今回の事で頼られたい守りたいって思って俺の気持ち分かって欲しいって……」
『じゃあ……気付いてたの?』
「窓から見たとき、外でアイツがこっち見てたの分かった。なぁ、俺は確かにいなくなるけど愛の事気味悪く感じないよ。それでも頼れない?」

ふるふると頭を横に振って泣きながら謝罪とお礼を言われた。
何に対する謝罪だ?

「(あれ?俺、告白したんだよな……?)」
『……こんな私を好きになってくれて、ありがとう。』
「それは俺の気持ちに答えられないって事?」
『……私、恋愛的な好きって分からないの。親友達は勿論、私とお話してくれる動物達も好き。けど、それって零が私に言ってくれた好きと違うんでしょ?』
「まぁ……」
『分からないまま断るのも嫌なんだ。ちゃんと零と向き合って考えたい。』
「……そっか。」

これから少しずつで良いから男として見てもらえる様に俺も頑張ろう。
膝から降りた愛はキッチンに向かった。

『何か飲も。たくさん泣いて話したから喉渇いちゃった。』
「そうだな、買い物また行くか?」
『ううん。今日はもう良いや、零の事聞かせて。』
「俺の事?」
『うん!小さい頃の話とか聞きたい。』
「聞いても面白くはないと思うけど?」
『よくよく考えたら私、零の事知らないなって。向き合うって決めたからには色々と知りたいの。』

そう言ってくれた彼女は前よりも柔らかい笑顔を見せてくれた。
その日はリビングのソファーで2人並んで座って、幼馴染のヒロの事や昔お世話になったエレーナ先生の事などたくさん話した。
話す度に楽しそうに聞いてくれるから話してる俺も楽しくてそのまま2人ソファーで眠った。



/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp