第2章 兄と妹
走っても走っても追いつかない背中。
何故か懐かしい気持ち。
────兄だ。
追いかけっこしても鬼ごっこしても
絶対追いつかない。離れてく背中。
でも一回だけ転んじゃって、
「、」
私が泣き出すより早く。
「璃依!?!?」
青ざめた顔をした兄。
光の速さで私の元にやってくる。
触れる、筋肉質の腕に。
「せ…征くん、捕まえた、へへっ」
驚きと嬉しさで涙は消えた。
生まれる笑顔。
瞬間。
少年はか細い身体を抱き寄せた。
ふわっと香る。慣れた兄の匂い。
何も言わずにただ抱き寄せられていた。