第6章 脆い壁
「バスケ、したい?」
背後から聞こえた少年の声。
サッと吹く風。揺れる赤髪。
整った顔立ち。柔らかな笑み。
見られた。全然できないの見られた。
羞恥心でいっぱいいっぱい。
「全然、入ってくれないの」
ムスッとボールに怒る。
ちょいちょいと征くんは手招き。
ボールちょうだいを察知。
ポイッと緩いパス。
ボールは兄の手へと渡る。
「ありがとう」
柔らかな笑みは崩さない。
視線は少女からリングへと移る。
シュートモーション。
ボールは弧を描きながら宙を舞う。
綺麗なアーチ。リングを通る綺麗な音。
少女は呆気に取られる。