第5章 暗雲低迷
川沿いを右往左往。
歩道橋下に響く少年少女の楽しげな声。
「くしゅんっ」
鼻がムズムズ。
そういえば冷え込んできた。
辺りはすっかり真っ暗。
制服はまだ濡れている。
体温は奪われていく。
「これ、着ろ。俺はあっち向いとく
暗いし、死角だから誰にも見えねぇから安心しろ」
ガサゴソと、
カバンを漁り、取り出したのは見覚えのあるジャージ。
「ありがとう」
少女の天使のような微笑み。
少年はノックアウト寸前。
ブラウスのボタンをちまちまと外し
大きいジャージを身に纏う。
瞬間、ふんわりと香る青峰くんの匂い。
かなりダボダボだけど、何より暖かい。