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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部


カミナシティに居るカミナに縁のある人々には粗方会ったので、今日はカミナとちょっと遠出をしてみる事にした。
「これがお前のガンメンか?」
カミナの墓参りに行った時とは違う形のガンメンを見上げてから、カミナが私を見た。
「ううん。私の、というものは無いんだ。それにこれは本当はガンメンじゃなくてリーロンが試作してるプロトタイプ」
後にグラパールとしてグレンラガンを元に量産されるガンメンを見上げる。
「ガンメンじゃ無いガンメン? よく分かんねェなあ」
カミナが頭をぼりぼりと掻きながら肩を竦めた。構造なんて私も分からないから一緒に肩を竦める。
「俺が居た時ははガンメンになんざ乗って無かったしな」
「でも意外と性に合ってたんだよ。さあ行こう」
先に操縦席に向かってからカミナに手を伸ばす。にっとカミナは笑い、私を追い越して操縦席に座った。

「…また?」
「おう。狭いだろうが。お前はここ」
それが定位置なんだと言わんばかりに、カミナは自身の膝の上を指差した。
顔が赤くなるのを感じながら、そろそろとカミナの膝に腰掛ける。二回目とはいえ気恥ずかしさは相当なものだ。

身体をカミナの膝の間に収め、上を伺う。
「どこに行きたい?」
「どこでも良いぜ」
「じゃあ…ダイガンザンと戦った跡地まで、大グレン団が進んで来た道とかどうかな」
「ああ。道案内は頼む」
「分かった」
頭上のカミナに向かって頷く。この体勢ではカミナに操縦してもらった方が良さそうだ。

幽霊は操縦できるのかという心配をよそに、無事にガンメンは飛び立つ。トビダマを手に入れて以降、プロトタイプには全て飛行ウイングが付けられていた。

道はあっという間に進む。
「へえ! こりゃ早いや」
空を飛ぶガンメンにカミナは興奮しているし、道中は賑やかだった。
四天王グアームと戦った地、シトマンドラと戦った空、アディーネ・ヴィラルと戦った地。
広大な海に着いた時は目を丸くし、降り立って海水に突っ込んで行き盛大に転んで咽ていた。

「なんだこりゃあ! しょっぺー!!」
「ねー! 海の水はしょっぱいんだって!」
足元の砂でさらさらと遊びながら、海と戯れるカミナを見る。豪快に腰まで海水に浸かったカミナが私を手招きする。
「来いよ! 泳ごうぜ」
「…うん!」
私も服を着たまま海に突進した。

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