第3章 3部(裏有)
…とうとうしてしまった。
世界で一番大好きな人。私の憧れで太陽。出会う前から恋していた人。
そのカミナと繋がっている。それがこんなにも嬉しくて、幸せな事だとは知らなかった。
好きな人と繋がれる事の幸福。そんな事までカミナは教えてくれた。
「…カミナ、好き。大好き」
カミナの背中に手を回す。じとりと汗ばんだ背中の刺青をなぞった。
「ああ、俺もだよ」
髪を撫でていた手を頬に移し、ふにふにと摘んでから愛おしそうに口付けた。
それが本当に愛おし気で、胸が一杯になる。
キスが合図だった。
私の奥で熱く脈打っていたカミナ自身をぎりぎりまで引く。そしてまた一気に奥まで貫く。
大きく激しい動きに私の体が揺れた。闖入を繰り返す度にぐちぐちと音が響く。
「…っあ…!」
揺れる度、短く何度も息を吐いた。
口付けたままだったが揺れのせいで何度か離れかける。
けれども舌を絡み合わせ、少しでも離れたくないと二人で求め合った。
「――っあ」
幾度か小さな波を感じた。
何度も達して過敏になっていた私の体は、奥を穿つカミナ自身でまたのぼりつめそうになった。
「―…っ」
カミナの動きが一際大きく感じた。息も荒い。
薄く目を開けると、真剣にこちらを見下ろすカミナと目が合う。
「…、愛してる」
小さく囁かれると同時に、私に大きな波が来た。
きゅうと中が収縮されカミナ自身に絡みつくのが分かった。
「カミナ…ぁ」
思わず固く目を閉じる前に見た、カミナの顔。
真剣な目と真剣な声に泣きそうになる。
見逃すまいと必死に開けた視界がぼやけた。熱くなる瞼を感じながら、私もカミナに囁く。
「…愛してる」
本当に、大好きで、あなたをこんなにも愛している。
絶望もしたけれど、カミナに出会えて良かった。心も体もカミナと繋がれた。
カミナの額から汗が落ちた。大きくなる動きに私も多分汗ばんでいる。混じる体液。
「――っっ…!」
最後の律動で体の奥にカミナの熱い迸りを感じた。
カミナが私を抱きしめふるりと震え、大きく息を吐いた。
「…は…っ…」
息が出来ないほど強く抱きしめられ、口付けられた。
(…カミナ、好き)
私はカミナの肩に顔を埋め、こっそり泣いた。