第15章 春が来た。
時は過ぎ、桜が似合う季節がやってきた。冬華と奈々は無事第一志望の荒涼高校に合格し、入学式を迎えた。
「クラス表、と。あ!私C組だ奈々はどうだった?」
「私D組だ!違うクラスだね……ショック」
「本当だー。でも隣のクラスっぽいし、休み時間遊びに行くよ!それに、お昼ご飯とか一緒に食べようよ!」
「本当ー!約束だからねー!私も行く!」
「うん!じゃあまた後で!」
そう言って奈々は自分のクラスへと入っていった。
冬華は先程のことを振り返っていた。
入学式には、見覚えがある人が見慣れない人が同じくらいいた。その中で冬華は密かに夏の姿を探したが、沢山の人の中から夏を見つけることはできなかった。
(夏、ここの高校にいないのかな。)