• テキストサイズ

【名探偵コナン】stimulation【R18】

第4章 ライ



自己紹介からそのまま続けて彼は喋る。


「詩音 さんとお呼びしても?」
「別になんとでも」
「ならば僕のことも、好きなように呼んでくれてかまいません」
「昴。…呼び捨てでもいいの?」
「……ええ」


まさか呼び捨てとは思ってなかったんだろう。
意外な呼び方に間を開けて答えた昴に対して笑う。小馬鹿にする私に、彼はほんの少し恥ずかしそうに眼鏡のブリッジを押し上げた。


「あのさ、さっきライくれるって言ったでしょ」
「はい」
「よかったら…そのスイーツもくれない?ちょっとでいいから」


いざ同じ家に行くとなったら、さすがに我慢出来ない。
それにただで食べ物をあげるよりも、ずっと親密なやり取りを交わすわけだし。
もはや隠すつもりもなくレジ袋に視線をやる私を見て、昴は笑って答えた。


「全部あげますよ。本当はコレで詩音 さんを釣るつもりだったんです」
「え、そうなの?有難いようなイラつくような…」


さっき私が笑ったことへの仕返しらしい。
昴の笑い方は私がまるで食い意地張ってるとでも言いたげな、ちょっと小馬鹿にしたものだった。
気分が悪くなるようなものでは全然ないけど。
むしろお互いに合わせようとしてるみたいで、どちらかと言えば楽しかった。


「良かったね、私がたまたま甘いの好きで」
「違ったならバーボンでもなんでも使って無理やり釣り上げるつもりでしたけど」
「魚か私は」


まあ、見事に釣られてやったわけだけど。
このままじゃ何だか負けてるみたいで悔しいから、釣り上げた後の方が大変だって教えてやろうかな。
スイーツなんかじゃ全然満足しないって……。
/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp