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落花

第13章 13




テオさんに促され、私は首まで隠れるワンピースに着替える。

そして、お屋敷の大浴場へと連れて行かれ…


「今の時間は誰も使わない筈だが…念のため俺が扉の前で見張っていてやる。その血を洗い流して来い。」

「ありがとう、テオさん…」

「早く行け。」


……


大浴場で身体を流しながら、鏡に映る姿を見つめる。

赤い痕が何箇所も…はっきりと付いている。数日間は消えそうにない。

「暫くは気を付けて服を選ばなきゃね…」

先程まで熱い指に触れられていたことを思い出してしまう。


「どうしよう…なんだか…」

愛しい人に触れられていた。本当は、もっと…


欲しい、アーサーが欲しくて堪らない…


「はぁ、はぁ…」


その欲望を押し込めるようにぎゅっと身体を抱きしめる。


「だめ、わたしはっ…」


途中まで高められて居た身体が熱を欲する。


私の理性は限界だった。







湯浴みを終えて大浴場を出ると、扉の前にテオが居る。

ああ、本当に見張っていてくれたんだ…

けれど今は、一刻も早く一人になりたかった。

この身体が、熱を求めてしまうから。


「上がったか。…おい、少し見えている。ちゃんと隠せ。」

そう呟くと、ノースリーブのワンピースから少し見えていた赤い痕を隠すため、テオの指が肌に一瞬触れ、ピクリと反応してしまう。


「ぁっ…」


湯上りで火照った身体。ギリギリで耐えていた理性が崩壊しそうだった。


「おい、どうした。顔が真っ赤だぞ。のぼせたか?」

テオの手が、今度は私の頰に触れる。

「っー!」

今度こそ理性が保たなかった。


気が付けば私は、テオの唇を奪っていた。


欲しい、もっと。こんなんじゃ足りない…


「っ、おい!…んっ、」

驚いて声をあげたテオ。

その時に薄っすら開いた唇を見逃さず、舌を絡めて深いキスをする。

「ちゅ…はぁ、んんっ…」

でもまだ足りない。

息継ぎをするため、一度テオから唇を離す。

お互いの間に銀色の糸が繋がる。

「はっ…アナスタシア、お前、どうして…」

テオが何か言っている…でも私はもう我慢なんて出来なかった。


そのまま再び口付けようとすると、テオの指に口付けを阻まれる。







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