第13章 13
ぐるりと視界が回り、気が付けばソファに押し倒されていた。
驚いて顔を上げると、私の上に覆いかぶさるようになったアーサーと目が合う。
いつもと雰囲気が違う…アーサーの瞳はまるで飢えた肉食動物のよう。
「アーサー?…なぁに?」
私がソファの上で身をよじるとアーサーが口を開く。
「なんで、逃げるの…?今日は逃がさないから」
そう囁くと、アーサーは私の首元に顔を埋めてキスを落とす。
「やっ…!アーサー、待って!ダメ…!
これ以上触れられたら気持ちを抑え込めなくなる。
しかし抵抗しようにも、私の両腕はアーサーの左手に一纏めに捕らえられていてビクともしない。
その間もアーサーは私の耳や首筋にキスを落とし、空いている右手で私の着ているブラウスのボタンを外す。
「ねーアーサー!お願い、離して…私、ダメなの…!」
必死で声をかけてもアーサーは御構い無しで…。
色んなところに落とされるキスにサキュバスの身体が反応してしまう。
そして首筋をペロリと舐められたかと思うと、チクリとした痛みが走るが…
その一瞬後には全身に信じられないほどの快楽。
「やっ、あぁぁっ…!」
私はアーサーに咬まれていた。
いつもなら平気なのに色々なところに容赦なく落とされるキスと首を咬まれた快楽に飲み込まれそうになり、瞳からは自然と涙が溢れてくる。
そうしているうちにブラウスのボタンを外し終えたアーサーは、中に着ている下着のホックを外そうと私の身体を指でなぞる。
「んっ、んんっ、ふぁ…」
容赦ない快楽に抗えず、ただ声を耐えることしか出来ない。
下着のホックを外し終えると、柔らかい胸にキツく吸い付かれ私の肌に赤い痕が付く。
そのまま至る所に痕を付けられ、その度に私の身体が快楽に翻弄される。
「やだぁぁあっアーサー…!」
胸をまさぐっていた手が下に伸ばされそうになった時
突如アーサーの動きが止まる。
不思議に思って見つめると、首元にあったアーサーの唇が、
私の首から下げられた‘彼’の小瓶に触れている。
あ…
アーサーの顔を涙で濡れた瞳で見上げると、苦しそうな顔をした彼と目が合う。