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落花

第12章 12




そのまま一式を購入するアーサー。

「さ、行こうか。エスコートするよ、お姫様。」

お店を出て、手を差し出される

「えっ?」

「ホラ、手を引いていないと他の人に取られちゃいそーだし?
周りを見てみなよ、皆んなキミを見てる。」

「そんなわけないじゃんっ…」

そう言いながら、周りを見てみる。

数人の男の人と目が合う。けれど…

「なんだか、アーサーの方が見られてない?」

「当然でしょー。キミみたいな綺麗な子を連れているのを羨まれてるの。だからしっかり俺の手を取って。」

「わっ!」

そのままアーサーに手を引かれる。

「よしよし、いい子ー。手をつないでいると俺のって感じがしてイイね。」

またそんなことを言う…
アーサーはたまに心臓に悪い。


「このドレスも、髪も、アクセサリーも…本当に嬉しい。ありがとうアーサー。アーサーの色に染まってる?」

「どーいたしまして。うん。俺の色に染まってる。
このままどこか連れて行っちゃいたいなーなんて…」

アーサーの声のトーンが少し変わった。
その変化にドキドキしてしまう。おかしい、私。


「っ…どこへ連れて行ってくれるの?」

「んー、とっておきの場所。期待しててねー」


そのまま手を引かれる。

空はいつのまにか茜色に染まっていた。


……


馬車から降りる。

辺りはすっかり暗くなっていた。

「どこまで行くの?」

「うーん?もう少し。」

さっきからずっとこの調子だ。

「そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

「ダーメ、もう少し我慢して?」

もう…

アーサーがなんだか楽しそうだから良いかな…と考えながらついて行く。

「もう少しだよ。ここからは目を閉じて。大丈夫、俺がちゃーんとエスコートするから。」


言われるがままに目を閉じる

静かな水の音がする。

なんだろう…川?川にしては静かだなぁ…


澄んだ空気…


「この辺でいいかな。アナスタシア、目を開けて?」

「わかった…」


私が目を開くと…







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