第12章 12
パリの街に繰り出す。
「わぁー!」
久しぶりの外、そして賑わっている街中の様子に
私の瞳はキラキラ輝いていた。
「アーサー、今日はいい天気だね!人も沢山。なんだか楽しい!」
「そ?気に入って貰えて良かったー」
ふと、私の瞳にある食べ物が止まる。
「アーサー、あれはなに?」
若い少女達がきゃあきゃあ言いながら食べているもの
フルーツが沢山入ってて美味しそう…
「んー?あぁ、あれはクレープだね。クレープってわかる?」
「クレープ…初めて聞いたわ。フルーツが沢山乗ってて美味しそうだね!甘いのかな?」
「甘いよー。ホイップクリームも乗ってて、チョコレートのソースとか、キャラメルとか…テオも好き。」
キャラメル、チョコレート、ホイップクリーム…
魅惑的な名前が並ぶ。
「おいしそう…」
その味を想像するだけで幸せな気待ちになる。
「食べたい?買ってあげるよ。何味にするー?」
アーサーがクレープ屋さんの前で、選んで と言うようにメニューを差し出す。
「ダメだよ!私お金持ってないもの!」
伯爵から最初の頃に渡されたお小遣いならあるけど…
「そんなのイイから。ホラ、好きなの選んで?」
「でもっ…」
尚も断る私にアーサーは
「俺も食べたいから、分けてくれる?ホラ、俺そんなに甘いもの得意じゃナイしー、キミから分けて貰うくらいで丁度いいんだけどー?」
「う…それなら良い、かな…?」
「うん。俺の為だと思って。」
そう言ってくれるアーサーの言葉に甘えることにする。
正直なところ、クレープを食べてみたくて堪らなかった。
「じゃあ、この苺とチョコレートのをお願いします!あと、ホイップクリームも!」