第19章 この先の永遠を
「ダーメ、今のはキミが煽ったのが悪いんでしょー?」
「んんっ…」
今度は深いキス。
「はぁっ…」
長いキスに膝から力が抜けてアーサーにもたれかかってしまう。
「可愛い、アナスタシア…俺我慢出来なくなりそー…」
アーサーの手が私の腰に回される。
「ッ…ダメ!私お仕事しなきゃ…」
流されそうになったけど…お仕事の途中だったことを思い出す。
「えー…」
アーサーは不満げに声を漏らしながら、私の首筋に顔を埋める。
首筋にアーサーのサラサラの髪が触れてくすぐったい。
「もう…今日のアーサーはなんだか甘えん坊ね。」
サラサラの髪を撫でながら呟くと…
「ん…キミに呆れられたくナイから言わなかったけど
ホントはキミと過ごせる時間がもっと増えたらイイのになーと思ってるんだ…。
ホラ、キミはお屋敷の皆んなの人気者だし。忙しいのもちゃーんとわかってるからワガママは言えないんだけどー…。」
顔を埋めたままアーサーは答える。
いつもの彼からは想像出来ない程可愛いわがままに、私の頰は緩んでしまう。
「そんなこと思っていたの…?」
「なーに、なんか笑ってない?」
拗ねたような声のアーサーは首筋から顔を上げ私の瞳を見つめる。
しばらく綺麗な青い瞳と見つめ合い…
「私もアーサーともっともっと一緒に過ごせたら良いなぁ、と思ってるよ。でもお仕事はしなきゃいけないから、お仕事が無い時は一緒に居ようね?」
そう答えると
「じゃあ今夜も俺の部屋に来てくれる?」
アーサーが甘ったるい瞳で誘う。
そんなの、断るわけない…
「勿論だよ!お仕事が終わったらお部屋に行くね。」
「これからも空いた時間は俺にくれる?」
「うん!アーサーにあげる。」
にっこり微笑みながら答えると…
「ねぇ、もう一つキミにお願いがあるんだけど…」
アーサーがいつになく真剣な表情で口を開く。
「お願い?」
「うん、お願い。」
「なぁに?私に出来ることならなんでも言って?」
「それじゃあ…」
アーサーが大きく深呼吸をする。そして
「いつかこのお屋敷を出て…
俺と2人で暮らして欲しい。」
「お屋敷を…?」
予想外のお願いに戸惑っていると…