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落花

第18章 永遠にキミを




「やっぱり伯爵には最初からバレてたみたいだねー」


ベッドから出たアーサーが私の肩に腕を回す。


「な、なんで!アーサーちゃんと隠れてなかったの…?」


「えー?疑うなんて酷いなー。ちゃあんと、キミのベッドの中に居たよ?」


アーサーが拗ねたような声で呟く。


「ご、ごめんね…でもなんでバレたのかな…?」


「んー、まあ伯爵に隠し事なんて無駄だってコトだねー。」


アーサーがのんびりと答える。


そういえば…


「伯爵、コーヒーの飲み過ぎに気を付けろって言ってた…」


そう呟くと、アーサーが悪戯がバレた子供のように微笑む。

「あははっ…んー、そうそう。きっと俺に染み付いたコーヒーの匂いでバレちゃったんだよね〜」


「でも、私アーサーからコーヒーの匂いなんて感じないのに」


最初の頃はコーヒーの匂いを感じていたと思うのに…


「それはキミが俺の匂いに慣れたからでしょ?
まあ、これだけ一緒に居るんだから当然かー」


「そうなのかな…?」


「キミが俺に染まってるってコトだよねー。
そうだ、伯爵から貰った服を着てみてよ。特にさっき言ってた仕事着、ってやつをさ。」


「これのこと…?でも今日はお仕事お休みだよ?」


「いーから、ホラ着てみてよ。ほーら…」


「わかった、着替えるから少し待ってて…?」


そう呟いて衣装室へ行こうとすると…


突然ぐいっとアーサーに引き寄せられる。


「アーサー?」


後ろから抱きしめられながら彼の名前を呼ぶ


「着替えなんて、ココでしたらいいじゃない…」


ココって…アーサーの目の前ってこと!?


「だ、だめ!それは恥ずかしいっ…」


慌てて断る。


「えー?んー…まあキミがそういうなら今は我慢してあげる。
でも忘れないでね、俺はキミの全部が見たいんだから…
はい、じゃあ着替えに行ってらっしゃーい!」



ひとまずホッとする。


「じゃあ、少し待ってて…」





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