第18章 永遠にキミを
伯爵が言い終わる前に、私の部屋には大きな荷台が運ばれてきた。
伯爵「ああ、ありがとう。アナスタシア、キミのために用意した服だよ。」
荷台の上には綺麗なデザインの箱が無数に乗せられており…
「えっ!こんなに沢山!?貰えないです…!」
綺麗な箱…きっと相当高いものだ…
伯爵「遠慮なんてしなくていい。屋敷の住人が快適に過ごせるようにするのは主人の勤めだろう?
あと2台は来るよ。キミの部屋の衣装室に入りきるだけ買ったからね。」
「2台もですかっ?そんなにしてもらうなんて…」
だって、箱を見てわかるけど絶対にブランド物だと思う…!
伯爵「気にしなくていいさ。キミにはまた屋敷の手伝いをして貰うからね。あ、そういえば手伝いをするときに着るための洋服も買ってきたよ。これだね。」
そう言って差し出されたのは、黒色のワンピース…だけど
前の部分には白色のエプロンのようなものが付いており…
「なんだか、とっても可愛らしいワンピースですね?裾もふわふわしてて…」
伯爵「テオが海外に絵を買い付けに行った時、街中で見かけたそうだよ。
このデザインは中世の頃、貴族の女中が着ていたものによく似ているが…街中にこれを着た若い女性が沢山居たらしくてね。
また流行しているんだろうと言っていたからキミの仕事着にどうかと思ってね。」
「確かに、可愛いと思います。ふわふわしてて、でも動きやすそうで…」
伯爵「気に入ってもらえたかな?さっそく明日から着てみるといい。きっとキミによく似合うだろう。
さて、荷物を運び終えたようだから私は失礼するよ。朝から悪かったね。」
いつのまにか私の部屋に沢山の荷物が運ばれていた。
「そんな!本当にありがとうございます!
また皆さんのお役に立てるように頑張りますっ」
笑顔で伯爵を見送ると…
伯爵「期待しているよ。
ああそうだ…コーヒーの飲み過ぎには注意するようにアーサーに伝えておいてくれ。それじゃあ、私はこれで」
部屋の扉が閉まる。
「えっ…」
伯爵の言葉に、私が固まっていると…