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落花

第18章 永遠にキミを




それからまた2ヶ月が経過した。


俺は相変わらず彼女の側に付いている。


テオ「おい、お前いい加減に…」


テオが俺にルージュを差し出しながら苦い顔をする。


「ん、ありがとーテオ。」


差し出されたルージュを飲む。

でも全然満たされない。俺はキミの血じゃないと…


テオ「本当にいい加減休め。お前が無理してこいつが喜ぶとでも思っているのか?」


「今の俺の姿を見たらきっとこの子は怒るよねー」


優しいこの子は自分の為に誰かが無理をする、なんて絶対許さないと思う。


テオ「悪いが、今日は無理にでもお前を休ませろと伯爵に言われている。」



「っ…ちょっと、ルージュに何か入れた…?」

強い睡魔に襲われる。


テオ「こうでもしないと休まないだろうが。お前には悪いと…」


テオの呟く声が遠くなる。


強引過ぎるでしょっ…!



…俺はそのまま深く眠りに落ちた。




……


随分長く眠っていたようだ


俺が深い眠りから眼を覚ますと


テオ「起きたか?相当疲れが溜まっていたんだな。お前3日は眠っていたぞ。」


テオの声が降ってくる。


「…頭痛い」


眠りすぎて頭痛がする。


周りの様子を伺うため視線を動かすと、隣のベッドにまだ眠ったままのアナスタシアが居る。



隣のベッド…?



テオ「お前のために伯爵が用意したんだよ。これなら少しは眠る気になるだろうってな。」


テオの話によると、俺を無理矢理眠らせてから
アナスタシアの隣にベッドを用意してそこに俺を寝かせてくれたらしい。


「なーにそれ、ホント強引だよねー…」


口では文句を言いながら、内心感謝していた。


確かに疲れは溜まっていた。
長い時間眠ったお陰で今はスッキリしている。



テオ「お前が倒れたらこいつが悲しむだろう。ここを動く気が無いのはわかったから、せめて休息くらいは取れ。」


「ありがとう。伯爵にも感謝しないと…」


横で眠る彼女を見つめる。


キミがいつ目を覚ますかはわからないけれど

その日まで俺は側に居るよ。







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