第17章 落花
翌日
「わーお、やっぱり二世紀も経つと街の様子も変わるよねー」
テオ「そうか?俺にはわからんな。」
この日はテオと一緒に街へ出て彼女を探すことになっていた。
アナスタシアと一緒に歩いた街並みが、随分と様変わりしていて少しだけ寂しくなる。
テオ「で、探すって言っても何処をどう探すんだ?」
「人の集まるところで聞き込みしようかなー
ホラ、アナスタシアの容姿って特徴的でしょ?信じられないくらい綺麗な子でローズピンクの瞳の子は知りませんかー?って言えば、わかるんじゃないかなー。あと、フィンセントが描いてくれた彼女の絵があるし」
テオ「兄さんの絵を見ればわかるかもな。2世紀も前に描いたのに現代の写真と変わらない出来栄えだ。」
「ほーんと、テオはお兄ちゃん大好きだねー。まあ、助かるのは事実だけどー。」
テオと話しながら、パリで聞き込みをする。
しばらく聞き込みをしていると…
街の人「綺麗な子?あぁ、それならさっきルーヴル美術館で見たよ。え?ローズピンクの瞳?うーん、そこまではわからないけど
この辺では珍しい容姿をしていたな。」
「ルーヴル美術館に行ってみよう。」
テオ「ん?あぁ、わかった。あそこには兄さんの絵も飾られているし、一度行ってみたいと思っていた。」
「もー、絵もいいけどアナスタシアのこと探してるって、忘れないでよねー?」
……
ルーヴル美術館へと辿り着く。
ここに、アナスタシアが居るかも知れない…
「すみません、ここで珍しい容姿をした綺麗な女の子を見ませんでしたか?」
テオと二手に別れお客さんに聞き込みをする。
すると…
お客さん「そういえば、綺麗な女の子が奥の部屋へ向かうのを見たわ。容姿?そうねぇ、たしかにこの辺では珍しい目の色をしていたわ。」
アナスタシアかもしれない、はやる気持ちを抑えきれず、奥の部屋へと足早に向かう。
ここだ…
俺の目の前には、重厚な扉がある。
この中に、アナスタシアが居るかもしれない…
幾度となく繰り返してきた行為。
今まで彼女を見つけることは出来なかったけれど、今度こそ…
そんな気待ちを抱えながら、扉に手を掛ける。
ギィィ…