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落花

第17章 落花


アーサーside


アナスタシアが居なくなった日から、俺はずっと彼女を探し続けていた。


しかしどれだけ探しても手掛かり一つ見つからず、月日だけが流れて行く。


「ねぇ…どこに行ったの…?」

手掛かりが一つもない。
もしかして、消えてしまったんじゃないか。


最悪な想像が浮かんでも、諦められずに探し続けた。


もう一度、キミに触れたい。声が聞きたい。


色んな国を訪れて…色んな場所を探して…

2世紀もの時間が経っていた。


……


久しぶりにパリに帰ってきた。
テオと会うのも久しぶりだなー。まあ、感傷的になるわけじゃ無いけど…


テオ「アーサー、まだ諦めていないのか…?」

テオが問いかけてくる。

最初の頃は彼女を抱いたテオのことが許せなかった。

しかし、テオに聞かされた真実…

彼女はテオに抱かれてはいなかった。

でも…

「やっぱり、あの子の身体に触れたのは許せないなー。
俺だって触れたことないのにー。」

テオ「はぁ?まだそんなことを言っているのか?大体、元はと言えばお前があいつに触れたせいで…」

「はいはい、わかってるよー。
それと、さっきの問いに対しての答え。
俺は諦めてないよ。彼女に会えるまで、探し続ける。」

テオ「…そうか。俺も出来るだけ協力してやる。頑張れよ。」


「やさしーね、テオ。そーいえば…ずっと考えてたんだけど…
もしかしてテオもアナスタシアの事が好きだったの?」

テオ「さぁな。そうだったらどうする?」

「うわー、やだなー。親友のテオと取り合うなんてしたくないんだけどー…」

やっぱりテオも彼女のことが好きだったんだ…

テオ「…まぁ、あいつの気持ちが手に入るとは思えないからな…
見つけることが出来たらたまには俺にもあいつを貸せ。パンケーキを一緒に食うくらいはさせるんだな。」

テオが呟く。そうだね。あの子が見つかったらもっと沢山色んなことを教えてあげたい。必ず、見つけだすよ。


「ありがとう…テオ」

テオ「お前がしおらしくなるなんて気味が悪い…
アーサー…無理はするなよ。次は何処の国を探すんだ?」

「んー、そーだね。しばらくはまたパリを探そうかな。ってことで、何日かお屋敷に居るから仲良くしてよねー?」

テオ「あぁ、わかった。パリなら俺も手伝ってやる。」

「ん、ありがとう。」







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