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落花

第15章 アーサーside




「俺がプレゼントするんだからダイジョーブ。あっそうだ、せっかくだからこのドレスに合わせて髪もセットしてもらおっか?」

勿論このままでも充分綺麗だけど…。

まあ、俺が見たいしー。


お姉さん「かしこまりました、それではこちらのお部屋へ…」

アナスタシアを連れて部屋を移動しようとするお姉さん。
しかし…


「だから待ってってば!貰うのも一緒だよ!こんなに高価なもの貰えない!」

必死に断ろうとする彼女。
本当に頑固なんだからー

「もー、大人しくして?お詫びって言ったでしょ?キミは気にしなくてもイイのー。おねーさん、この子のセットよろしくお願いしまーす」

そのまま強引に彼女を任せる。


……

数十分後


アナスタシアの居る部屋がザワザワしている

終わったのかな?


「アナスタシアー?入ってもいい?」

一言かけて、ドアノブを回す。

「えっ!待って!」

彼女の焦る声が聞こえるけど、扉は既に開かれている。


中には…

ドアから入る光に一瞬目を細める彼女。

本当に、綺麗だと思った。


「わーお…」

感嘆の声を漏らしてそのまま彼女に釘付けになってしまう。

綺麗すぎる。まるで一枚の美しい絵を見ているような…彼女の周りだけ時が止まっているみたい。


声を発しない俺を不思議に思ったのか、アナスタシアが口を開く。


「……あの、なにかヘン…?」


不安げに問う彼女の声で現実に引き戻された。


「ぜーんぜん。綺麗すぎて驚いたの。」

素直に零れ落ちる言葉。

「な、なにをっ…」

少し赤くなるキミ。ほんのりと染まった頰は、より一層彼女の美しさを引き立てている。

「本当。キミはいつも綺麗だけど…今日は綺麗すぎて怖いくらい。」

真剣な表情で伝えると…

「なに言ってるのっ…!からかわないで…恥ずかしい、よ。」

ますます赤くなった彼女が目を伏せる。
長い睫毛の影がほんのり色づいた頰に落ちて、色っぽさまで感じさせる。


「…本気で言ってる。綺麗だよ。今すぐキミを連れ去りたいくらい。」


そのまま彼女が身に付けたものを一式購入する。

あんまり綺麗だから、誰かに取られちゃいそうー…そうだ


「エスコートするよ、お手をどうぞ、お姫様?」


そう呟き彼女の手を取る。

ねぇ、今だけは…
俺のものになって?







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