第15章 アーサーside
「うん…。私、最近の流行りとかもわからないし…アーサーの横に並ぶのに、変な格好するわけにもいかないし…」
観念したのか、真っ赤になったまま素直に白状するキミ。
俺に相応しい格好をしたかったってこと?なーにそれ、勘違いしてもイイの?
てゆーか、キミみたいな綺麗な子…何着ても似合うに決まってるじゃん。
真っ赤になった頰と、少し伏せられた瞳。
誰が見ても綺麗だ、と言うであろう彼女を見つめる。
「どうして?キミみたいな綺麗な子、なかなか居ないのに?」
「っ!そういうことじゃないの!とにかく、私のせいで貴方の評価が悪くなるなんて嫌だもの…!」
ますます赤くなりながら彼女が呟く。
あー、本当に可愛い。俺のために悩んでくれたんだ。
ふと、彼女の足元にあるブルーのワンピースに目が止まる。
綺麗な青。裾や袖には可憐な花の装飾がされている。
彼女の白い肌が際立ちそう。きっと、すごく似合うだろーな…
「んー、評価とかはよくわからないけれど…キミは何を着ても似合うと思うよ?でも…俺の好みに合わせてくれるならー
そのブルーのワンピースがイイ。」
そう言ってブルーのワンピースを指す。
冗談抜きで、似合うと思ったから。
「わかった、このワンピースにする!
アーサーは青が好きなの?」
俺の好みに合わせてくれるってこと?そんなの、期待しちゃうじゃん。
なんとなく気恥ずかしくなり、軽い調子で切り返す。
「まあね。ホラ、青色って俺の目の色と同じだし。
俺の色に染まってくれるみたいでイイよね?」
「確かに、アーサーの瞳は綺麗な青色だよね。このワンピースも似てる。アーサーの瞳の色、私も好きだよ。」
思わぬ返答に顔が熱くなっているのを感じる。
なーにそれ…反則デショ。
自覚ナシっていうの?タチが悪い…
俺の頰に気がついたアナスタシアが不思議そうに見詰めてくる。
「アーサー?どうしたの?暑い?」
ホラ、やっぱり自覚ナイ…
「…キミってほんとやだー。もー何?自覚ナシとかー…」
「や、やだって…?ごめんアーサー、私何か気に触ることっ…」
俺の言葉を真に受けたキミが焦って謝ってくる。
そーじゃないの、本当、にぶいんだから…
少しだけ悔しくて、俺も言い返してみる。
「そーいうことじゃないー。もー…俺だってキミの瞳、綺麗だと思うよ?」