第9章 ♢845年♢
ローゼに着くと兵士達が集まっており
キースと会話していたエルヴィンが
こちらに気づき心配した様子で駆け寄ってきた
「リア!無事だったか、私が買い付けを頼んだばかりに…すまなかったね」
「いやいや!そんな、謝らないで…結局何も出来なかったし…」
謝るエルヴィンを否定しながら落ち込む
「いや、君の活躍は駐屯兵団から届いているよ。一人で何体も巨人を倒していたそうじゃないか…。全く…よくやってくれた」
感謝する
と頭を撫でたエルヴィン
その言葉に少し救われた気持ちになった
リアだった
「それで、どうなったんだ?」
黙っていたリヴァイが口を開いた
「マリアは放棄される事が決まった」
「!?」
「…残された人々はどうするつもりだ」
エルヴィンの発言に
驚くリアと眉間の皺を深くし言うリヴァイ
「…とてもじゃないが、食糧が足りない。…恐らく近々、口減らしが行われるだろう」
言いながら顔を顰めるエルヴィン
口減らし…恐らく兵士でない人々を
巨人と戦わせるのであろう
「私達にはそれに逆らう権限は残念ながら無い」
出来ることは
「ウォールマリア奪還に向けての作戦を練ることだ」
エルヴィンの瞳に炎が宿る
「…そうだね」
「あぁ」
エルヴィンの言う事は最もだ
口減らしに賛成は勿論出来ないが
私達は私達が出来る事をやろう
やるしかないんだ…
「リア、君は調査兵団の中で大型巨人と鎧の巨人について一番情報を持っている。団長達を交えて話を聞きたい。怪我の手当てができ次第至急団長室に来てくれ」
エルヴィンはそう言うと
キース達のいる所へ戻っていった
「医務室に行くぞ」
リヴァイはそう言うとまたしても
リアを抱え歩き出した
「リヴァイ、もう大丈夫だからっ」
そう言うも
完全に無視するリヴァイにまた抵抗をやめた
周りの目が気になるが…
もうどうでもいい
兎に角怪我を早く治して
マリア奪還に向けて
更に厳しい訓練をしないと
鎧の巨人に全く歯が立たなかった事を思い出し
もっと強くならねばと
決意したリアだった