第6章 ♢悔いなき選択♢
ードシンッ
何体倒したかもう分からない
途中からリアも巨人を削いでいた
心肺蘇生しているリアを狙う巨人を
何度か削ぎながら様子を見ていたが
ファーランは一度息を吹き返していたように見えた
…だが、もう助からなかったのだろう
最期にリアと話ができて良かった
…アイツは、気持ちを伝えられたのだろうか
そんな事を考えながら
ファーランと過ごしてきた日々を思い出す
なんだかんだアイツには
助けられていた
一人で生きて行くことに
なんの違和感も感じていなかったら俺に
大切な、守りたい存在
と言うものを教えてくれたのはアイツだ
ファーラン、お前の最期の願い
これから俺が一生背負って生きて行くぞ
リアは俺が死ぬまで守ってみせる
そう心に誓い
最後の一体となった巨人に目を向ける
それはファーランを飲み込んだ巨人だった
ーザシュッ
「ァアアアァアァア」
巨人の目を潰すと
気味の悪い叫び声をあげた
「オイ…人間てのは美味いのか?」
聞いても返事はない
そんなことは分かっている
「なぁ…美味かったか?」
変わらず巨人は叫び続けている
「答えろよ」
巨人に対する怒り
仲間に対する悲しみ
そして自分のした選択への後悔
その全てを込めて
頸を削いだ