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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第1章 ♢始まり♢





ーカシャンッ


ーダダダダッ



馬たちが一斉に駆け出す
ここは名門高校の乗馬クラブ

数々の名のある選手を輩出してきた
名高きこのクラブでまた1人
注目されている騎手がいた


「エリーゼ!もっと行けるっ!」


リアはラストの直線で勝負をつけようと
愛馬"エリーゼ"を鼓舞した

最終カーブの時点で2着との差が歴然ではあったが
最後まで気を抜かないのが彼女だ



ーパァンッ



「ふぅ…お疲れ様エリーゼ」

最後まで共に走り抜けた愛馬を撫で
慈しむリア



ーヒヒンッ



エリーゼは嬉しそうに鼻を鳴らした


「史上最年少記録だぞっ!」

「今すぐにでもうちに来てもらいたい!」


彼女を見に来た大人たちの歓声を
どこか他人事のように見やる


「…はぁ」

リアは別に騎手を目指すために
この乗馬クラブに入ったわけではない
将来は医者である父の跡を継ぐことは
もう決まっているのだ

小さい頃おばあちゃんが牧場を持っていて
馬に乗せてくれたことから
馬のことが大好きになった
毎日世話を手伝ったり
病気になったら一緒に面倒を見たり
おばあちゃんに馬のことはなんでも教えてもらった
そのおばあちゃんもリアが
中学校に上がる時に亡くなってしまい
誰も面倒を見ることが出来ないという
理由から牧場は使われなくなった


「おばあちゃん…」


大好きだったおばあちゃんを思い出し
ふと、空を見上げると自由に空高く飛ぶ鷹が見えた



私には自由はない



乗馬クラブも高校卒業まで
高校にいる間も常に成績は1位でなければならない
そういった条件の中で唯一許された私の娯楽だ


卒業したら医者になる為
毎日勉強や実習をしていかなければならない









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