第10章 ♢副兵士長♢
人類がウォールマリアを放棄してから
一週間が経った
リアが見た大型の巨人は
超大型巨人と名付けられ
その正体やその後は不明のままだ
鎧の巨人も同じで
マリアの壁を破壊してから
誰も姿を見ていないと言う…
マリアから何とか逃げてきた人々は
…とりあえず開拓地送りにされた
調査兵団はやっと落ち着きを取り戻し
兵士達もいつも通りの訓練を再開していた
その中リアとリヴァイはエルヴィンに呼び出され
彼の執務室に来ていた
「キース団長が辞表を出したそうだ」
エルヴィンが言った言葉に
驚く2人
「時期団長は…私だ」
「お…おめでとう?」
真剣な眼差しで言ったエルヴィンだったが
リアの発言に思わずプッと吹き出す
「真面目に言っているというのに…全く君は面白い」
お腹を抱えて笑うエルヴィンに
え?え?と動揺するリア
その光景に思わず口角が上がるリヴァイ
「…で、そのことを俺らに伝える為に呼び出したのか?」
笑いすぎて涙目になっているエルヴィンに
質問するリヴァイ
「いや、私が団長になるにあたって、君達は役職についてもらう」
「役職?」
指示をしたり人の上に立つ事が苦手な
リアは思わず顔を顰める
「リヴァイには兵士の中のトップ、兵士長を。リアにはその補佐として副兵士長を命じる」
「兵士長…」
今までに無い役職に
頭に?が浮かぶが
その後詳しく教えてくれたエルヴィンの話によれば
分隊長とは違い
リヴァイが選んだ人材をリヴァイ班として編成し
調査兵団のトップの班として訓練や壁外調査において
指導、援護を積極的に行うこと
副兵士長はリヴァイ班に所属し
兵士長の右腕となること
…らしい
「ちなみにハンジとミケには分隊長を務めてもらう」
「…ミケは分かるけど、ハンジも?」
ハンジは確かに判断力に優れ
人を見るのも得意だ
…だが巨人の事となると暴走する
そうなった時分隊長としての判断が出来るのだろうか
「彼女の班にはモブリットを所属させる」
「あ、なら大丈夫か」
エルヴィンの発言に納得した
彼がいるなら安心だ
そして改めて副兵士長という役職について考える
リヴァイの補佐
ということは常にリヴァイと一緒にいられる
やった!
と心の中でガッツポーズをした