第4章 結末は…甘く
ドキドキしながら見ていると敦くんは腕から唇を離し、そのまま顔を近付け額にキスする。
ビックリして目をパチパチすると
「ハハッ…涙止まったねー」
イタズラが成功したみたいに笑う敦くんを見て、また恋をする。
いつも宝物みたいに私に触れてくれる敦くんが大好き。
でも、その手はもう私の物じゃないかも知れないんだ。
「…あの、さっきの人は良いの?」
「え?ああ、実は…秘密にしとこうと思ってたんだけどー」
「…ちょっと待って…心の準備が…。」
「…え?心の準備って…」
敦くんに別れを告げられるなら…今まで言えなかった素直な気持ちを伝えようと
「…私…ごめんなさい。好きなの。敦くんはあの人の事が好きで、もう遅いかもしれないけど…」言いながら止まったはずの涙が溢れてくる。
「恥ずかしがって素直になれなくて…いつも敦くんの優しさに甘えてばっかだけど…敦くんが大好きなの!!」これで全部言いたいことは言えた。
息継ぎも忘れて叫ぶように言うと
フワッと甘い香りに包まれて敦くんに抱きしめられる。