【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第1章 未来の海兵
「君、ここは海賊の縄張りだよ!?駄目だろ、こんな所に来ちゃ!」
肩を掴まれ、揺さぶられる。
「アルビダ様に、殺されるぞ!!」
物凄い形相で、迫ってくる。あまりの近さに、背を海老ぞりにする。
ふと、足音が聞こえた。丸メガネの少年の、動きが止まる。足音は、どんどん近づいてくる。
「ヤバイ!隠れて!!」
少年が片腕を広げて、私を背に庇った。
戸が開いた。
「おいコビー、掃除ちゃんとやってるか?」
「も...もちろんです。えへへ...!」
樽の山の裏にしゃがみこんでいた私は、ワントーン声が高くなった少年と男の会話を、背に聞く。物陰から、様子を伺った。次から次へと、人相の悪い男共が、部屋に入ってくる。背の高い男達に囲まれたコビーは、一段と小さく見えた。
コビーが、小声で話しかけてきた。
(そこでじっとしてて。大丈夫だよ、僕が逃がしてあげるから)