【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第1章 未来の海兵
お腹が唸りを上げた。
ペッタンコなお腹を擦る。ルフィの体重で重い大樽を、転がしながら、食糧を求めてさ迷う。砂が泥のように、靴の裏にくっついて歩きにくい。波打ち際から離れて、芝草の上に移動する。魚影や貝など、食べられそうな物が無いか、注意深く探しながらゆっくり歩く。
船を見つけた。私達が乗っていた小舟とは比べられない位、大きくて立派。旗が黒いから、海賊船で間違いない。船が停めてある辺りに、いくつも小屋が建っている。あの中に、食糧はあるだろうか。樽を転がしながら、小屋へ向かった。
戸を開けると、思ったより狭く息苦しい部屋が、私を出迎えた。酒樽が所狭しと積んである。戸から差し込む光と、それを遮る私の影が、部屋の中の人物を染めあげる。
「あれ?君は....?」
ピンク色の丸みを帯びた頭髪。気の弱そうなちっこい目が、丸メガネのレンズ越しに、こちらを見つめる。